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跡部の連載にしようとおもってたやつ

2010.05.03.Mon.23:56
 跡部の連載を書こうとして、1話分だけ書いた後に姉に見てもらったら「正レギュラーと正マネージャーのシステムがわかりにくいw」と言われてしまいました。自分でも、システムの説明が上手くできていないと思っていたので、痛いところを思い切りつつかれてしまったのです。

 それで、わかりやすい上手い説明が思いつくまではと放置してて結局思いつかなかったからお蔵入りが決定してしまったブツです。ボツネタ供養。

・主人公の名前→■■■(名字)★★★(名前)。

・主人公が憧れてる(?)女の子→●●ちゃん

・跡部様ファンクラブ会長→♪♪さん


---ココから---

『雑魚の魚交じり(仮)』

<1>

 甘い香りをあたりに振りまき、聞くものを明るくさせる元気な笑い声をたてながら、可愛らしい女の子たちが廊下を走っていく。短いスカートをひらりひらりと危うげになびかせて、ついでに丁寧に手入れがされている長い髪の毛もふわりふわりとなびかせて。廊下は走っちゃいかんとかいう細かいことは、この際どうでも良い。

 女の子は、お砂糖と、あと忘れたけどなにかステキな物で構成されている――と、どこかで聞いた覚えがある。

 いま私の目の前を軽やかに駆け抜けていき、廊下に芳しい残り香というステキな残照を残していった彼女たちこそ、まさにそのステキな成分が配合されている乙女なのだなあ、と思わず恥ずかしいことを考えてしまった。

 それほどまでに、彼女たちはキラキラと輝いていて、自分が女の子であるということを、心の底から楽しんでいるように見えたのだ。――同じ女でありながら、女らしさのカケラも備わっておらず、なおかつ別にキラキラもしてない私とは、きっと別の生き物なのだ。間違いない。ブルーベリージャムだと思って食べたら、海苔の佃煮だった、みたいな感じだろう。

 私は今の例えはちょっと無理がありすぎるな、とゆっくり首を振ると、部室棟へと大股歩きで向かった。遅刻したら、大顰蹙をかってしまう。なぜなら、今日は男子テニス部のマネージャー選考がある日だ。マネージャー選考……内情を知る人間にとっては、非常に恐ろしい戦いなのである。

 うちの学校の男子テニス部は少し、いやかなり変わっていて、正レギュラー(いわゆるスタメン)という精鋭の男の子たちには、専属の女子マネージャーがつくことになっている。専属マネージャーってくらいだから、パートナーになった男の子たちの管理は、全てマネージャーとなった女の子に一任されるわけだ。だから、当然専属マネージャーになる女の子には、相当の技量が要求される。

 この専属マネージャーに選ばれるためには、二つの方法がある。

 方法その一。それは民主主義的に投票で決めるというシンプルなものだ。マネージャー選考会議にて、優秀なマネージャーの中から、正レギュラーと同数である七人のマネージャー候補が挙げられる。その中で、自分が一番優秀だと思われるマネージャーに投票をし、得票の一番多い人はその年のチーフ・マネージャーとなり、一番人気のある男の子のマネージャーになれる。残りは、得票の多い順に、人気の高い男の子の専属マネージャーになれるというわけだ。

 ちなみにうちのテニス部は、試合に一回でも負けると即レギュラーから外されてしまうという鉄則があるので、マネージャーも連帯責任で専属マネージャーの任を解かれることになる。その後は専属マネージャーに返り咲くこともなく、準レギュラーたちの面倒を他のマネージャーたちと一緒に見ることになる(私たち下っ端マネージャーは、これを俗に降嫁と呼んでいる。ちなみにレギュラーから外された男の子のことを、幕末の事件とレギュラーの人数七人に引っ掛けて七卿落ちとも呼んでいる)。自分が見下していた下っ端マネージャーの中に加わるという屈辱に耐えかねて、降嫁したマネージャーの中には退部する子も出る始末だ。だからせいぜい自分が面倒を見てる男の子が試合に負けないように、専属マネージャーは苦心しなくてはいけない。

 方法その二。それは正レギュラーの男の子から、直々に指名を受けるというものだ。これには、そのマネージャーの実力は問われない。正レギュラーが指名したというハクがついているので、たとえ無能だろうがなんだろうが、選ばれたモン勝ちの世界なのである。現に、去年までいた先輩は、自分好みの女の子をマネージャー指名して、その子と付き合った、な~んて話もある。専属マネージャー狙いの女の子のなかには、彼女の座を狙ってる子も多いわけで……。このパターンは、全マネージャーの憧れシチュエーションといっても差し支えはないだろう。ただし、さっき挙げた例はほんとに極稀な話で、レギュラーの男の子たちが自分からマネージャーを指名するなんてことは、ほとんど無い。その確率はゼロに近い。

 そりゃ彼らだって健全な男子なんだから、可愛い子が面倒を見てくれるのなら悪い気持ちはしないに決まっているだろう。けど、彼らは女漁りにきているわけではなく、あくまでも部活をしにきているのだ。だいたい、指名制度なんて指名される方はその気でも、指名する側は死ぬほど恥ずかしいではないか。あとで、「お前あの子が好みだったのか」と友人らに冷やかされてしまう危険性も、大いにはらんでいる。お年頃の男子で、その屈辱に耐えられる者が、果たして何人居ようか?

 そんなわけで、専属マネージャー決めは、先に上げた投票によって決められると言うのが通例となっていた。

 そして先にも述べたとおり、今日が、まさにその投票日なのである。

 私がミーティング・ルームに着くと、もうすでにほとんどの子が集まってきていて、きゃいきゃいと取り留めのない話を繰り広げていた。私や、彼女らのように、七人の候補以外の平マネージャーは、このイベントに対する緊張感などはあまり無い。することといえば、せいぜい、自分の嫌いな候補に投票しないくらいしかすることがないので、『早く終わんねーかしら』と誰もが思っているのだ。

 私も早く終わんねーかしらと思いながら、マネージャー仲間のすぐ傍に腰を下ろした。よう、と挨拶を交わしあった後、他の子たちと同様、取り留めの無い話をしながら投票が始まるのを待った。

 しばらくして、私が二年生のとき――つまり、去年から正レギュラーの、しかも、この学園一番の有名人で、男子テニス部の部長である跡部くんの専属マネージャーをやっていた、今年のチーフ・マネージャー最有力候補である●●ちゃんが、投票の開始を告げた。新しいチーフ・マネージャーが決まるまでは、去年のチーフ・マネージャーから指名された女の子が皆の取りまとめ役をおおせつかるのだ。

 ●●ちゃんはよく気がつき、頭も良い、性格も良い、おまけに顔もお人形さんのように綺麗で、おとぎ話の世界からうっかり間違って現世に出現したんじゃないかってくらい、非の打ち所が見つからないというハイスペックな女子だ。私たち平マネージャーにも高圧的な態度をとらないということも、ポイントが高い。当然、私は●●ちゃんに投票した。投票しない理由がない。

 そうこうしているうちに投票が終わった。そしていよいよ開票という段になって、投票数を記録する係の女の子が「ふざけないで!」と声を荒げた。

 お喋りをしていた私たちは、口を閉ざして何事が起こったのかと係の女の子に注目する。彼女は、怒りも露にしながらこう言った。

「候補以外のマネージャーに投票するなんて、なに考えてるのよ!」

 ――候補以外のマネージャーに投票? 会場がざわざわとざわめく。

「静かに!」

 ●●ちゃんが、私たち全員を見渡しながらそう言った。次に、係の女の子に対して、少し厳しい口調でこうたずねた。

「候補以外のって……どういう意味なの?」

 問いかけられた係の子は、いらいらと指をより合わせると、●●ちゃんに開票途中の用紙をつきつけた。「自分で確認してみれば!」

 言われて●●ちゃんは、投票用紙を次々に開けていった。ごまふアザラシの赤ちゃんみたいに真っ白(これは決してバカにしているわけではなく、たとえが下手な私の最大級の賛辞だ)でふわっとしているほっぺたに、サッと朱が差した。そして、桃色の唇を可愛らしくきゅっとかみ締める。

 その姿を見て、私はちょっぴり胸が痛んだ。あの●●ちゃんにあんな顔をさせるなんて、一体全体、なにがあったんだろう……と。

「ちょっとお、なんの騒ぎなのよ」

 ミーティング・ルームの真ん中あたりから、意地の悪い声が上がる。あれは、●●ちゃんを敵対視している、NO.2マネージャーの♪♪さんの声だ。彼女は、●●ちゃんといがみ合っている。

「そっちでコソコソやられても、こっちは意味わかんないんだけど」

 その声に賛同する声があちこちから上がった。

「ちゃんと説明しなさいよ」

 また、賛同する声が上がる。●●ちゃんは、鋭い目線をそちらに投げかけると、怒りで震える声でこう言った。

「……七人の候補以外に、名前が挙がっている人がいるの。それも、たった一票だけじゃないわ」
「なにそれ、面白いわね」
「面白くなんてないわ。投票用紙を開けても開けてもその人の名前が出てくるのよ。それこそ、大半の票がその人に集まってると思われるくらいにね……」

 そう言った●●ちゃんの顔は、今まで見たこともないくらい恐ろしい顔つきだった。それを見て、楽しそうに笑いながら♪♪さんが言う。

「へえー、じゃあ今年はその子がチーフ・マネージャーで、跡部様のマネージャーになるわけ?」
「このままいくとそうなりかねないけど、でも候補以外に投票するのは違反だわ」
「違反って言っても、たくさん投票があるんだったら、無視できない事態でしょ。だってここにいる皆は、七人の候補よりもその子が相応しいと思って投票してるんだから」
「……♪♪、あなたまさか」

 より一層怖い顔で●●ちゃんが♪♪さんをにらみつけた。事態がうまく飲み込めていない私たちは、ハラハラと一触即発の二人を見守ることしかできない。

 しばらくにらみ合いが続いた後、●●ちゃんは私たちに解散するように言った。私たちは、不安な気持ちを胸に抱いたまま、ミーティング・ルームを後にした。

 ――この時の私には、まさかただの平マネージャーの私が、すでに大いなる陰謀の触手にぐるぐると絡めとられているなどとは、夢にも思っていなかったのである。



***



 それから数日後。チーフ・マネージャー不在のまま、私たちは全員で協力しあって雑用をこなしていた。未だに、あのときのトラブルについては誰にも説明がされていなかった。

 いったいなんだったんだろうねー、なんてのん気に話していると、♪♪さんの腰ぎんちゃくの女の子が、私にちょっとくるようにと言ってきた。私には呼び出される心当たりなんてないので、「いやだ」と突っぱねると彼女は酷く困ったような顔をして何度も何度もしつこく頼んでくるので、私はようやく重い腰を上げて、彼女のあとについて行ってやった。

 私は、ミーティング・ルームへと通された。そこには、偉そうにふんぞり返っている♪♪さんがいて、私の顔を見るなり、「遅い」と失礼なことを言って来たので、私はその場で踵を返して帰ろうとした。

 すると途端に猫なで声を出してきたため、私は気分が悪くなって、とりあえずその気持ちの悪い猫なで声を止めてもらうためにその場に残ることにした。

「さて、■■■さん……貴女を呼んだのは、他でもないわ」

 ♪♪さんはもったいぶって話し始めた。

「この間の選考でのトラブルなんだけど」

 私は頷いて話の先を促した。

「あの後、七人の候補全員で話し合ったの。今までに無い事態だったから、まあ、他のマネージャーたちに余計な心配の種を植え付けるわけにいかないでしょ」

 そんな事を言うけど、彼女は平マネージャーなんざ自分達の使い走りくらいにしか考えていないことはよく知っているので、私は見え透いた嘘なんてどうでも良いから、さっさと話の続きをするようにと彼女に言った。

 ♪♪さんは平マネージャーのクセに! とでも言いたげに舌打ちをすると、

「それでまあ、貴女も知ってると思うけど、あの時候補以外のマネージャーにね、投票されてたのよ。それもすごい数の票が。つまり、皆は私たち以外に専属マネージャーに相応しい女の子がいると主張したかったわけね。その気持ちを無下にするわけにはいかないから、いっそのこと、その子を専属マネージャーとして採用することにしたわけ」

 ふーん、と私は相槌を打った。そんな話をわざわざ私に話してどうするというんだろう。いちいち一人一人を呼び出して、こんなくだらないことを話すんじゃないだろうな。まさか。

「でね、その子……いったい誰だったと思う?」

 私は、それに相応しいと思われる女の子の名前をいくつか挙げた。しかし、♪♪さんはにこにこ笑いながら首を振る。じゃあ一体誰なのだ、と問いかける私に、♪♪さんはこう告げた。

「■■■★★★さん、貴女よ」

 それを聞いたとき、私は笑いながら彼女をにらみつけた。そんなことがあるわけがないのは、自分が一番よく知っているからだ。

 なぜなら私は、マネージャーの仕事自体は好きなものの、候補に選ばれる女の子たちのように、選ばれるため血のにじむような努力をしたこともないし……第一、華が無い。

 正レギュラーのマネージャーになる女の子というのは――そんなルールはどこにも無いんだけれど――、華がなくてはいけない。それは暗黙のルールとなっている。だから、毎年候補に選ばれる女の子たちは、それぞれが本当に可愛らしい子たちばかりだった。

「でも本当なのよ」

 困ったように言う彼女に私は背中を向けた。――冗談でもタチが悪すぎる。

 怒り心頭に発しながら、足音も荒くミーティング・ルームのドアに手をかけようとしたとき、勢いよくドアがこちら側に開かれたため、私は強かに手をドアに打ちつけてしまい、うめき声を上げながら悶絶する羽目になった。

「……なにしてんだ、そこのメス猫は」

 呆れたような顔で私を見ているのは、なんとまあ、学園一の有名人・跡部景吾その人だ。私は、こんなに間近で見たのは初めてなので、痛みも忘れて思わずマジマジと跡部くんを見つめてしまった。さすがに端正な顔をしているなあかっこいいなあと感動していると、そんな私をえいやっと脇にと押しのけて、♪♪さんが跡部くんに擦り寄った。

「跡部様ッ、お待ちしておりました!」

 ちなみに、彼女は今期の『跡部景吾ファンクラブ』の会長様である。このファンクラブは、校内の実に半数近くの女生徒が所属していると言われており、だから、アホみたいな話だけれど、彼女は校内でかなりの権力をもっているということにつながるのだ。取りまとめ役をおおせつかった●●ちゃんじゃなくて、彼女がこうやって勝手なことをしているのは、そのためだろう。

「お忙しいのに、このようなむさ苦しいところにお呼び立てして申し訳ございません」

 いつもの高圧的な彼女はどこに行ったのかと捜索隊を組んで捜してみたくなるほど、♪♪さんは違う生き物になってしまっていた。ファンクラブの会長をしているくらいだから、跡部くんのことが、彼女はものすごく好きなのだろう。好きな男の子の前で態度が変わっちゃう彼女は、やっぱり女の子で、自分を少しでも可愛く見せたいと思うそういう気持ちが、ちょっとだけ可愛いな、と私は思った。

「堅苦しい挨拶は抜きだ。で、俺様に用事ってのは、今年のマネージャーの件なんだろ」
「ハイ! さすが跡部様!」
「おべっかは良い」

 苦笑しながら跡部君が言うと、目をキラキラと輝かせて♪♪さんが今年の専属マネージャーの名前を挙げていった。そこに私の名前もちゃーんと入っていた。しかも、跡部くんの専属マネージャーという肩書きで!――私はそれは間違いだと、慌てて会話に割って入った。

「■■■さんは、こんな有象無象の人間である自分が選ばれるはずがないと謙遜してらっしゃるんですのよ」

 ころころと可愛らしく笑う彼女の喉元にチョップを食らわせて黙らせてやろうかと思ったが、それより先に跡部くんが言った。

「……●●じゃないのか」

 残念そう、というよりは意外そうに言う跡部くんに、♪♪さんは言った。

「●●さんじゃないのです。今年は、この雑草……じゃなくて、カルト的大人気のダークホース、■■■さんなのです」
「人気云々は関係ねえ。そいつが選ばれたってことは、仕事の方はちゃんとできるんだろ」

 ♪♪さんは言葉に詰まった。彼女が私の働きぶりを知っているはずがない。私は、おずおずと言った。●●ちゃん以上の仕事ができるとは到底思えない、これは何かの間違いなのだと。

 跡部くんは興味が無さそうに私の話を聞いた後、キッパリと言い捨てた。

「そっちの事情がどうかなんて、俺様には関係ねえよ。手違いなら手違いで、そっちで解決しな。もし手違いじゃあないようなら、選抜されたんだ。文句なんて言うんじゃねえ。いいな? 俺様も、決まったことに対してとやかく言うつもりはねえ。お前が、よっぽど使い物にならない奴じゃねえ限り、な」

 そういうことを言いたかったわけではなく、と私が口を開きかけると、♪♪さんが私の口に(どこから取り出したのか)、クッキーを押し込んで喋れないようにすると、ホホホと笑った。

「緊張のあまり、こんな態度をとってるんです、■■■さんは。跡部様、どうぞお気になさらないで。有象無象の■■■さんですけれど、跡部様のご期待に沿えるようにせいぜいこちらで教育いたしますし、いちおう最高学年までマネージャーを続けているくらいですもの。まんざら役にたたないわけでもないんですのよ」

 跡部くんは、それをまた興味が無さそうに聞いた後、「せいぜい俺様の下でしっかりと働けよ、■■■」そう言って、さっさとミーティング・ルームを出て行ってしまった。

 私は、口の中のクッキーを飲み込むと、頭を抱えて呻いた。

「なんでこんなことになっちゃったんだろう」

(続く)

---ココまで---

 主人公は、その辺に転がっている有象無象の名も無き生徒と同レベルな扱いなので、最後まで台詞が無いのです。ラストでスポットライトがようやく当たったので、カギカッコつきの台詞をしゃべることができました。

 おおまかなストーリーと、オチは大体考えてあるので、そのうちこっそり手直ししてから載せるかもしれません(笑)。
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