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やなぎ は れべる が あがった!

2010.06.04.Fri.23:59
 教授の誕生日! 教授の誕生日なのですね。ちなみに昨日は博士の誕生日でした。2人まとめて祝ってやる! おめでとう!

 以下はなんだかよくわからないドリーム小説もどきです。ちょっとオタっぽい女の子が主人公。教授とも博士とも全く関係ないです。ドラクエ3を知ってる人じゃないと、意味わかんないかもしれない気がしなくもないです。


---ココから---

『やなぎ は れべる が あがった!』

 放課後の教室、柳君が学級日誌をつけ終わるまでの間、私はケータイアプリのドラクエ3を起動してぴろぴろと遊んでいた。

 ルイーダの酒場で遊び人、魔法使い、僧侶といったパーティーをつくり、それぞれに自分の友達の名前をつけてみた。ちなみに、遊び人が「やなぎ」、魔法使いが「ゆきむら」、僧侶が「におー」だ。勇者は……言わずもがな私だ。

「……キャラクターの選択を違えているのではないか?」

 用事が済んだのか、私のケータイを覗き込んだ柳君は、不服そうにそう言った。私はケータイから目を離さず、「んなこたぁない」と返す。

「精市が魔法使いというのは納得できる。せめて、仁王と俺の職業を逆にしたらどうだ?――やだ、とお前は言う。更に、それはなぜと俺が問えば、これで合ってるんだとお前は言うのだろう」
「先読みして私の台詞盗るくらいなら、聞かないでよ……」
「それを言うのも知っていたから、あえてお前に喋らせたのだ」

 柳君は、これでも譲歩したと言わんばかりだ。私はケータイから柳君に視線を移した。

「柳君はなんでも知ってるけど、ゲームのことは知らないみたいだね」
「俺はゲームをやらない。だが、お前が遊んでいるゲームに、ある程度の知識はある」
「でも、なんで私が柳君を遊び人にしたかわかんない」
「……ああ」

 少しだけ困ったように言う柳君に、私は勝った、と思った。柳君が呆れたような顔で私を見る。

「勝ったと思っただろう」
「そ、そんなこと思ってないです」

 とは言ったものの、確実にバレていることはわかる。それは柳君が、薄い唇の端っこを持ち上げてニヤッと笑ったからだ。私は慌てて柳君から目線をゲームに戻して、ゲームを再開した。

 モンスターとエンカウントする。勇者以外、物理攻撃が強いキャラがいないから、魔法があんまり利かない敵と遭遇すると、ちょっとピンチだ。だけど、こまめに回復しつつ、モンスターを片付けていく。

 なんとか一人の死者も出さず、戦闘は無事に終了した。

 と、その時、テレレレッテッテッテーンというおなじみのレベルアップ音が響いた。どうやら、遊び人のやなぎのレベルが上がったらしい。

「ほら、やなぎのレベルが上がったよ」

 私は柳君にケータイを見せた。柳君は、あんまり嬉しくなさそうに画面を見つめている。

「俺はこんな道化じゃないんだが……」

 キャラクターシンボルのことを言ってるんだろう。遊び人(♂)は、サーカスのピエロそのものって格好をしている。遊び人っていう響きも嫌だけど、柳君にはこのピエロのシンボルの方が耐え難い苦痛なのかもしれない。

「まあいいから見てなって」

 私は柳君にパチーンとウィンクをして見せた。――柳君が、露骨に嫌そうな顔をしたけれど、それは見なかったことにした。

 メニューコマンドを呼び出して、ゆきむらにルーラ(一度行った街や村へ一瞬で移動できる呪文だ)を使わせると、ダーマ神殿へ向かう。

「お前は知らないと思っているようだが、俺は知っているぞ。ここは、ゲーム内での職業斡旋所のようなものだな」
「半分合ってるけど、半分間違ってるよ」

 正確にはダーマ神殿は、キャラクターの職業を変更できる場所であって、決して仕事を斡旋してくれるハロワなんかじゃない。私は冷静につっこみつつ、パーティーを操作して神殿の奥へと向かった。

「いよいよ俺の職業を変える気になったのだな」
「まあね」
「ふむ、感心な心がけだ。それで、なにに変更するのだ? 魔法使いは精市がいる。僧侶は仁王がいる。俺は戦士という向きではない。武道家もまた然りだ。とすれば……盗賊なのか?」
「なんだかんだ言って、結構詳しいんだね」
「当たり前だ。俺のデータに死角はない」

 私は勝ち誇る柳君を鼻で笑うと、遊び人を賢者に転職させた。柳君の大嫌いな道化師は、その奇抜なメイクを落とし(?)見目麗しい青髪の青年へと変わった。

「何故だ?」

 柳君が呟いた。

「確か、この賢者という職業に転職するためには、特別なアイテムを要するはずだ。それを使わずに転職できたという事は……」

 お前、不正に改造したな。そう言って柳君は開眼した。――こ、怖い。私は殺されると思って、必死に首を振って否定した。

「違うって! どうやってケータイアプリを不正に改造しろっていうのさ。私は善良なユーザーであって、そんな汚いマネなんかしないし、やり方もわからないよっ」
「では、一体何故だ」

 言えるものなら言ってみろと柳君の目が語っている。こいつ、私の事をまったく信用していないんだろうか。くそ、ムカつくと思いつつ、私は柳君にわけを話してやった。

「あのね、遊び人はレベルが二十になると、悟りを開いて賢者になれるの」
「……そういう仕様か?」
「そういう仕様です」

 顎の下に手をあてて、柳君は少し考えた。そして、そうかと言って頷いた。

 よかった。どうやら納得してくれたらしい。

「では、お前は最初から俺を賢者にするつもりで遊び人にしていたのだな」
「そういうこと。アイテム手に入れるよりも、レベル二十にする方が手っ取り早い」
「そういうことか。ようやく得心がいったぞ」

 俺が遊び人などと考えるお前の頭がどうかしてしまったと心配してしまったではないか、と失礼なことを言い、柳君はにっこりと優美に微笑んだ。

「よし。俺の気も晴れたところで、そろそろ帰る事にしよう」
「そうだね。柳君の用事も済んだところで、帰ろうか」

 私は冒険の書にデータを記録して、アプリを終了させた。カバンを手に持って、柳君の隣に並んで歩く。学校を出てしばらく歩いたところで、柳君が不二家の店先に出ているペコちゃん人形をじっと凝視しながら言った。

「やなぎはレベルが上がった……」

 私はニコニコしながら聞き流したあと、今のが空耳じゃなかったということに気がついた。思わず顔をしかめて、柳君をガン見してしまった。柳君は、そんな私に冷たい一瞥をくれると、ため息混じりに呟いた。

「お前はゲームのデータだけは」

 いま、だけの部分を不必要に強調した。

「一人前だが、少々俺に対するデータが不足しているようだ」
「あっ」

 私はハタと気がついた。そういえば、今日は六月四日じゃん。つまり、柳君の誕生日だ。しまった、忘れてた!

「あ、あの、柳君、誕生日おめでとう」

 これじゃあ、いかにも言わされて言ってるみたいじゃないか。こんな祝い方されて、嬉しい人がいるわけがない。私は自分で自分のダメっぷりに辟易した。

 だけど、意外にも柳君は「ありがとう」と言って優しく微笑んだのだった。

「いつ言ってくれるのかと思っていたが、俺から教えられて祝うようでは、まだまだお前は相応しくないな」
「相応しくないって、なにに?」

 柳君は、面白そうにくすくす笑った後、「さあ、それはお前がよく考えて答えを見つけることだな」

 と言って、私の頭をぽんぽんと叩いたのだった。

 私は意味がわからず、ただ柳君がご機嫌で私の頭を叩くのに身を任せていた。そして、柳君を攻略するのは、ゲームの攻略なんかよりも、よっぽど難しいとため息を吐いたのだった。

(了)

---ココまで---

 おそらく主人公はゲームを始めたばかりではなく、前々からゲームやってたんですよきっと。そうじゃなきゃ、学級日誌を書き終わるまでにダーマ神殿なんかにいけるはずが無いですね/(^o^)\
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